平成26年度を終えて
支部長 梶川幸夫
 4月の総会にて新組織としてスタ−トした平成26年度の支部活動も概ね1年を終えようとしています。昨年は半田支部創立60周年の大事業を終え、今年は静かに事業を終えるのかと思いましたが、知多地域5市5町と愛知建築士会及び愛知建築士事務所協会とは「地震災害時の応急対策活動の支援協力に関する協定」を締結しましたが応急対策活動マニュアル地震直後の避難施設及び防災上重要な施設への安全確認する応急危険度判定士を市町ごとに振り分けると南知多町、美浜町、東浦町が圧倒的に少なく、一人で10施設ぐらい確認しなくてはならない状況です、建築士会会員の一人でも多くの方に応急危険度判定士になっていただきたいと思います。
東浦町から景観計画検討委員会を大学教授、建築士会など関係団体、県職、公募委員などで創り町の自然環境と歴史、良好な住宅街の維持・向上を目的として、景観計画を策定し建築物の色彩やデザインの制限や屋外広告物の規制などを議論し景観条例を設定する基準案の検討、届け出及び審査方法のマニアルを作成し協議し、建築物の立替え等で景観が失われないよう地区計画の条例を作成し東浦の歴史や自然を子供や孫に伝え残す景観づくりをしたいと思います。
 南知多町から空き家等危険度調査の依頼があり、そのまま放置しておけば倒壊の恐れがある危険な空き家を市町村が指導・勧告や撤去や修繕の命令ができる事になったのですが、愛知県の市町村では初めてなので、どの様に調査し書類を作成するのかを建築士、弁護士、警察署、消防署及び役場の防災安全課の方々と対策審議会で論議され調査する事になりました。
 又、来年度は第3回半田市ふるさと景観賞及びパネルディスカッションが予定されています、シンポジウムでは観光関係団体や地域福祉関係団体と連携した「まちづくりと景観」と称しパネルディスカションを開催し良好な景観づくりの推進をして行いたいと思いますので、会員のみなさんよろしく御願いいたします。

空き家調査始まる
木造住宅耐震診断特別委員会
委員長 成田完二
 平成14年度から行っている耐震診断事業とは別に、南知多町に於いて空き家の調査が始まりましたので、その報告をいたします。
 今年度南知多町に空き家等の適正な管理に関する条例が制定されたのに伴うもので、調査を愛知建築士会半田支部が請け負い、当委員会の担当になりました。今年度調査対象は町民から情報提供を受けた44件でした。
 初回は12月9日、町の担当者の案内で6件を全員で回り、意見をまとめ、主観で点数が変わることの無いよう調整しました。本番は暮れの12月26日、岡澤・手島のベテランチーム、梶川支部長と榎本の半田東部チーム、私と北村の成岩チームの3班6名。9時に河和の岡澤宅に集合し即調査開始。初回の6件と島の6件を除く32件、各班10〜11件で丸一日の調査になります。  住宅地図を片手に、なじみのない土地を探っていきます。旧市街地の中ですから、駐車場所が最初の課題。軽自動車を止めやすい場所に置いて、歩いて探します。
 空き家にはいろいろあり、朽ち果てる寸前のものから、昨日まで住んでいたんじゃないかと思われるものまでありました。鍵の掛かっていない玄関を開けると、スリッパが並んでいて時計が動いているのを見たときは背筋が寒くなりました。
 空き家対策特別措置法が昨年12月に制定され、このような空き家調査は広がっていくものと思われます。愛知県では初の取り組みらしく。私たちの調査が全県の規範になるかもしれません。  最後に島作戦は1月12日、耐震診断委員会を午前から2時まで行い、ワゴン車で師崎港へ行き、2班は篠島へ私たちの班は日間賀島へ渡りました。日間賀島は1件のみで篠島班と合流し、調査終了、旅館で一泊し打ち上げと新年会を楽しみました。

研修見学会
研修委員会委員長 成田完二
 台風接近は天の仕業だったでしょうか。当初、大津祭にかけて10月に企画しましたが、台風接近のため、2月7〜8日(土日)に延期しました。結果的にそれが良かったと思います。祭が無くなったことで時間に余裕ができ、ヴォーリズの代表作の豊郷小学校が見学出来たことと、大津のまちづくりの中心である柴山氏に直接話が伺えたことです。

<豊郷小学校校舎内>
 私が最初に豊郷小学校に行ったのは保存運動の真只中で教室棟には入れず、駐車場もありませんでした。改修工事が全て終わり、駐車場も整備され、大型バスでの見学が可能になりました。住民運動で保存保護された近代建築は珍しいでしょう。ボランティアガイドさんの丁寧な説明で、早く到着して十分時間があるはずが全然足りませんでした。
 近江八幡では、ガイドさんと予め打合せをして、観光マップには載っていないヴォーリズ建築が立ち並んでいる通りも案内していただけました。建築士12月号に掲載されていた旧八幡郵便局の2階にはヴォーリズ建築にまつわる資料が展示してありました。

<天孫神社で説明する柴山氏(右から2人目)>
 1日目最後の見学地、大津は15:40から見学開始。講師は柴山建築研究所の代表、柴山直子氏。ホテルのロビーから歩いて大津祭の天孫神社に移動し、その境内で町を見学するポイントを教わりました。大津は東海道の宿場と琵琶湖交通の要所として栄えた町。昭和初期の軒切りと言われる道路拡幅による外壁面後退と共に、祭を2階から眺められるように改修されました。柴山氏はその街並みにこだわり、歴史的建造物の登録文化財への働きかけから、地区協定の策定、電線の地中埋設化まで取り組まれています。その熱意と迫力、それにも増して大津祭と町への愛情の強さを感じました。
 暗くなりかける17時過ぎからは曳き山会館へ入り、大津祭の展示やビデオを見て、会館の会議室で柴山氏の講演を聞きました。懇親会は近くの民家を柴山さんが手がけたお店、ここも登録文化財。古民家で鍋料理を堪能しました。
 二日目は比叡山延暦寺と長浜を見学し、滋賀県の旅は終了しました。「琵琶湖岸に咲いた文化、歴史、そしてまちづくり」というテーマ通りの研修が出来たと思います。また、多大なるご協力をいただいたチタジュウグループ各社に厚く御礼申し上げます。

半田市の観光まちづくり
まちづくり委員会委員長 永田創一
 今年は半田市の観光まちづくりの様子が大きく変わります。7月には半田赤レンガ建物の耐震補強及び1階部分の改修工事が終了し、建物北部には芝生広場及び駐車場が整備されます。建物内には常設展示室やクラブハウス、60席のカフェやショップができ360日夜10時までオープンします。外部のオープンデッキでは毎月1回か2回マルシェも開催されます。指定管理者の(株)JTBプロモーションでは年間30万人の来場者を見込んでいます。
 運河沿いの中埜半六邸では10月に豆腐レストランが開店し、11月にはMIM(旧ミツカン酢の里)もオープンします。MIMは年間来場者数を20万人と見込んでいます。
 市庁舎も完成し、いよいよ運河から赤レンガを経て南吉までの回遊が出来上がります。あとは重要文化財の旧中埜家住宅の改修が待たれるのみであります。
26年度の景観重要建造物のひとつに亀崎の望洲楼が前年度の旧藤友呉服店につづき指定されました。景観審議委員として久しぶりに望洲楼にお邪魔して、道路南にある成田家本家の屋根瓦妻側に 「鯉の滝のぼり」の装飾が施されてることに気付き驚かされました。是非一度見学に行ってみてください。
 また、来年度に向けての嬉しいニュースも入ってきました。市の予算が付き、半田市ふるさと景観賞が来年度復活することになりました。久しぶりにみんなで活動できることを嬉しく思っております。

ボウリング大会
親睦委員会委員長 松田誠史
 平成27年1月25日(日)半田グランドボウルにて家族親睦ボウリング大会を開催させていただきました。
 当日は天候にも恵まれ 大人 14名 子供 3名 の17名にて5レーンを使ってゲームをしました。
子供さんがいらっしゃるご家族のレーンにはガーターがなくなるようにしていただき、女性の方とお子さんにはハンデキャップを付けさせていただきました、ゲーム中は1投1投歓声が上がったり、がっかりしたりで楽しい時間を過ごさせていただきました。支部長の梶川さんが1位となり 景品の『ノンオイルフライヤー』をゲットされました。その他の方にも景品を用意させていただき、それぞれに持って帰っていただきました。
 ボウリングゲームの後にはボウリング場のバスをお借りして『可心』という中華料理店にて食事会を行わさせていただき、こちらも楽しい時間を過ごすことができました。
 参加者の皆さんのご協力もあり親睦会はスムーズに進めることができました。出席された皆様ありがとうございました。

半田運河いかだレース
青年委員会委員長 山口貴司
 それは、1年前の某氏からの一言から始まりました。  「2週間後の半田運河のいかだレースに、まちづくりの一環としてうちからもいかだを作って出てほしいそうだ。」これは準備期間もなく丁重にお断りをしました。
 それから10か月後。今度は、開催2か月前に声がかけられました。
 そこで、青年委員で集まり、検討会議(飲み会)を開いたところ、出場してみよう、と決まり、そのまま決起集会になりました。いかだは、インターネットで探して、木の骨組みと2Lのペット ボトル150本くらいで作ることにし、支部の皆さんにペットボトル集めをお願いしたところ、あっという間に300本以上集まりました。
 レース当日は快晴。コースは半田運河1往復、距離は約1km。乗組員4名は青いTシャツを着て参戦です。支部長はじめ皆さん見守る中、予想外に多い観客と、他チームのチアリーダー(?)にやや圧倒されながら、いよいよレース開始!
 幸先のよいスタートを切り、その後はボートを漕ぐようにスイスイ・・・のはずが、とんでもない重労働。漕げども進まず、真夏の日差しの中、汗が雨粒のように降ってきて、わずか100メートルほどでぐったり。ペースも落ちて、岸を歩く人の方がはるかに速いことに愕然としながら、途中、「がんばれー」という暖かい応援に励まされ、某氏の奥さんからの「こらー、サボるなー」という怒声にビビりながら、わずか1km先なのに、はるか彼方に感じられたゴールを目指しました。結果は、31分19秒、22艇中16位。運河を活かしたまちづくりは、これほどまでに大変なことかと身に染みて感じた大会でした。
 青年委員会は、概ね40歳以下の会員で構成されています。来年度も、若手らしく楽しめる(?)事業を行っていきたいと思っておりますので、皆様のご参加をお待ちしております。

2つの交流研修会を終えて
女性委員会委員長 服部由美
 半田支部女性委員会は、ランチミーティングなどで意見を出しあい、その年行う事業を決めています。今年は、「庭と建築」をテーマにした研修を、2つ企画しました。
 1つ目の秋におこなった研修では、年2回一般公開される京都の四君子苑へ、その時期に合わせて出かけました。しっとりとした雰囲気の表門を抜けて、内部へ。寄り付きで眺めた庭を、外腰掛・渡り廊下では、隠すように作られています。そこを壁伝いに進み、たどり着いた茶室では、水の音を聞きながら、空中にいるような感覚の場が印象的でした。庭と建築を使い時間・空間が楽しめるような工夫が見事で、もう少しその場にいたいと思う場所でした。
 また、参加者の方々のご協力で、公開と同時に入場できる時間帯に、名古屋を出発したことで、ゆっくり説明を伺うことが出来、予想以上によい研修になったと思います。次は、季節を変えて訪れたいと思います。お勧めしたい研修場所です。
 午後からは、村野藤吾氏作の建物を移築した「湯豆腐 嵯峨野」で食事と見学を堪能しました。部屋ごとに趣向が凝らされていて、こちらも見応えがあります。お店の方が快く見学させてくださり、貴重な研修になりました。
 2つ目の研修は、1月5日、犬山の有楽苑にて開かれる初釜の体験と見学です。
 年の初めということもあり、普段の公開とは、なんとはなしに空気感がちがう雰囲気の中、旧正伝院書院でお茶を頂き、有楽苑の散策をしました。
 仕事初めの日程になってしまい、参加者が少な少なかったことが残念でしたが、研修を兼ねながら、女性委員会のメンバーで新年を祝い交流できたことは、よかったです。
 毎年のことながら、出来るだけ多くの方に参加して頂けるよう計画を練りますが、なかなか増えないところが悩みの種です。魅力ある企画を考えつつ、新しい方々や委員会メンバー以外の方々が参加しやすいよう、声をかけてお誘いするなど、工夫をしていけたらと思います。

■編集後記
 本年度も半田支部のさまざまな事業に参加させていただき、たくさんの刺激や学びの機会を頂くことができました。広報委員長としてtheCityの編集に携わらせていただくのは初めてのことで、各委員会の企画・運営の苦労を今まで以上に感じる機会となりました。
 建築士に対する社会的責任や社会からの要望は年々増しております。それらの要望に応えるためにはたくさんの会員のパワーが必要不可欠です。より多くの会員がtheCityを通じて事業に触れ、ご理解をいただき、次の事業へ参加していただける、そんな一助となることができれば広報委員長として嬉しく思います。
 
 皆様方に引き続き愛知建築士会半田支部の活動に深いご理解とより一層のご協力をお願いして編集後記とさせていただきます。ありがとうございました。
広報委員長 榊原昭仁