市町が窓口で行っている民間木造住宅耐震診断事業は、この地域では東海、知多、常滑の3市が建築士事務所協会と契約し、大府、半田の2市と阿久比、東浦、武豊、美浜、南知多の5町を建築士会が契約し、業務を行っています。いろいろな事務処理は本会が行い、支部は診断員への業務の振り分け、報告書のチェックと自治体への報告など、主体業務を受け持っています。
14年度は阿久比、美浜、南知多を除く2市2町で307件、15年度は2市5町に増え、契約件数は当初888件でしたが、変更や追加などあり1095件になりました。
診断業務の流れは次の通りです。
市町 =契約= 建築士会 診断員
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支部に委託
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診断委員へ業務の振り分け→診断員は現地調査にいく
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報告書のチェック ← 報告書を作成しチェックを受ける
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市町へ提出 ← 報告書を受け取る ← 報告書の完成
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決済をおろす →→→→→→→→→→→→市町で報告書を受け取る
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申込者へ報告に行く
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業務台帳を整理 ← 完了報告を支部に提出
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市町へ報告 ← 本会に完了報告
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決済・支払→ 本会が受け取り
診断員・支部に支払い→ 報酬を受け取る
診断業務をやるということは、住宅の現況調査を行っているのと同じことになります。それも家の中に入り込んで、天井裏や床下までのぞき込んで調べてくるわけです。住宅の文化、歴史、現在起こりつつある様々な住宅を取り巻く社会環境などいろいろなことが解ってきます。
文化的なものはもう少しデータを集めて、後でなにかまとめると面白いと思いますが、後者の問題は早急に何かする必要があります。というのはあまりにも悪徳業者による被害が大きいことです。耐震診断を申し込まれる人は心配性の方が多いです。そこにつけ込んで必要のない床下換気扇だとか、補強金物を取り付けて法外な金額を請求されたり、白蟻駆除の名目で根がらみを切り、基礎に穴を開け、そのために基礎が割れて、沈下してしまったケースさえあります。
そういう方は異口同音に「どこに頼んでいいかわからない」「早くあなたを知っていればよかった」など、相談できる建築士や建築業者が居ないことを話されます。私たちのPRがいかに足らないかを示します。
建築士会の活動はあらゆる媒体をつかってもっともっと広く市民に知らせることが重要だと、この業務を通じて実感することとなりました。あと2年間は耐震診断業務があります。それと合わせて、補強改修も始まっています。そのへんの対策も含め、建築士会の真価が問われていると思います。
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