この10年をふり返って
(社)愛知建築士会相談役 水野 洋生
はじめに
事業について
つぎに、最も大きな事業となったのは、支部創立35周年記念事業として、半田市制50周年記念事業の一環として、昭和62年10月に開催した“’87さわやかハンダ街づくりと住まいの総合展”ならびに「さわやかな住みよい街づくり」シンポジウムであります。
テーマとしては「さわやかな半田市の街づくり」。これは、現在私たちが生活している半田の街が果たして住みよい快適な街であるのか考えると共に、住みたくなる街づくりへの半田の将来像を想定し、21世紀へ向けてアメニティのある街づくり住まいづくりを追求して行こうと計画したものであります。
総合展の会場は市民ホール。開催は昭和62年10月8日より11日までの4日間。ステージにテーマ展示。半田市域の航空写真を2×4メートルに拡大、この中から11ポイントを抽出して、21世紀へ向けての街づくりのあり方を提案。もちろん半田市を中心とした知多地方全体の21世紀のあるべき姿も提案。すべて影像を駆使し、ボタン操作により見たい個所が点滅ケーブルを伝わってから拡大されたイラスト図として描写されるという大変凝った演出。従ってメーンテーマ展示だけで585万円を要したほどです。
開場式も、非常に華やかに演出され、消防音楽隊の演奏、くす玉、テープカット等もあり、コンパニオンが花を添えました。入場者はね建通新聞社の記事によると2万数千人。入場者にはB6判302頁のミニ建築知識冊子8千冊を、家族単位で無料配布。テーマ展示の提案をカラー印刷したリーフレット1万1千枚も無料配布。出展60コマ。場外2コマ。テーマ協賛121口。冊子広告144頁。アドバルーン6本。期間中ミニSL2編成を運転、チビッ子を乗せ場外周遊し、市内31台の山車勢揃いの市民まつりと相まって大成功のうちに閉幕いたしました。
また、これに先行して10月4日、愛知県半田勤労福祉会館講堂を会場として、「さわやかな住みよい街づくりシンポジウム」が開催されました。基調公演に、NHKの木村太郎氏を招き、パネルディスカッションも、コーディネーターの久米幸一氏ほかパネラーにも人材を得て、満員の入場者に大好評を博しました。このシンポでも、資料として、テーマであった半田港を中心とした街づくりのあり方に関し、B5版62頁の冊子千部を作成。この冊子も当日品切れになるほどとなりました。このシンポジウムのまちづくり宣言は、会場の議論を踏まえて私が行ないましたが、その内容は下記の通りであります。
第一 衣浦港の整備と、快適なシーサイドタウンの建設を通じ、21世紀をめざし、50万人都市としての大半田市をつくろう。
因みに、この記念事業の決算収入は1750万円。支出1641万円。剰余金の中で市民ホール前庭にミニ庭園を寄贈し、残余金は継承事業である「さわやかハンダ街づくり委員会」の活動資金として運用することにいたしました。
半田支部は、以上のような特別事業を遂行しながら、通常事業にも従前以上に力を尽し、年間、一泊研修見学会二回、日帰り研修見学会を三、四回行い、建築設備講習会も毎週二回づつ、五週連続のものを、二年間続けて開催。もちろん、法令講習会や親睦事業としての支部内対抗ソフトボール大会、ボーリング大会、新年互礼会、総会後の懇親会等多種にわたり実施してまいりました。支部名簿も毎年発行いたしました。
このことは、私の6年間の在任中ばかりでなく、後任の杉浦護支部長、大岩武久現支部長と連綿と受け継がれ、斬新な内容の研修見学会、研修会、親睦事業が実施され、活性化された支部の代表格としての半田支部は位置づけられております。
つぎに、このたびの半田市都市景観賞の設定は、半田市と共催というものの、名称をかりたにすぎず、費用はすべて支部にて支弁。現今、公共団体主催、主導の多い都市景観事業の中で、一支部が提言し、金は出すからと当局を説得しての事業は、愛知県内はおろか、全国でも半田支部だけではないかと思われ、この意味では快哉を叫びたいと思います。
会勢について
まちづくりについて
おわりに
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