24後期ブロック犬山大会報告

平成24年度 東海北陸ブロック会 女性建築士協議会 後期犬山会議

 2月16、17日に恒例の東海北陸ブロック会議が犬山市で開催された。久しくこの会から遠ざかっていたが、地元開催での賑やかしにと気楽な立場のオブザーバーとして参加した。本来は各県の事業報告や交流等が主目的であるが、全体のテーマが「さまざまな側面から歴史的な文化を通して何かを学び取ること」であると解釈し、印象に残った見学会、セミナーを中心に報告したい。

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開会式                

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女性会議の様子

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第1分科会の様子(城下町散策)

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第3分科会の様子(犬山焼絵付体験)

一番の楽しみは女性委員会が取り仕切る有楽苑見学であった。

少し余談を挟むが、1月に「御幸の間」を見学する機会があり、今回の「如庵」といずれも建築家 堀口捨己が関わっている事が判明し、一人で盛り上がっていた。しかし見学会の解説やガイドブックには堀口の関与が詳しく触れられていない。昨年12月に発刊された「有楽苑築造記」によると 「如庵保存協議会」の実行委員長となり、最後の集大成として並々ならぬ情熱をそそいだことがわかった。

如庵は犬山に移る前は京都から東京麻布の三井家を経由し、戦火を逃れる為 大磯に移築されていた。興味を引いたのは時代と場所の異なる新たな環境に移築した文化財をあたかもそこにあったかのように思わせる作庭の手法である。それは単に伝統を守るだけでなく、アレンジを加えながら、有楽斎もこうしたのではないかと思わせる「時を超えたコラボレーション」のようにも感じられた。

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閉館ぎりぎりまで粘って滞在した露地で西日により樹木のシルエットが写りこむ場面に遭遇でき(写真を参照)
これを狙って建物の位置を東向きから南向きに変えたのかと勝手な想像をしながらも感動を覚えた。

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つづく西澤泰彦先生(名古屋大学)のお話は「歴史的建造物から学ぶこと」のテーマで、愛知県内の文化財を紹介しながら深い部分に隠された秘密を解き明かすという興味深い手法であった。話を聞きながら多くの建築を思い込みで見ていたと深く反省した。
とりわけ印象に残っているのは「木造建築で釘を1本も使っていない」というフレーズは自慢話として取り上げがちだが、実は釘が高くて使えなかったとの解説はまさに目からうろこであった。

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翌日の明治村見学での西園寺公望邸の改修現場でその意味が理解できたように思える。
「有楽苑→セミナー→明治村見学」が一連のつながりを持つ見事な構成で愛知の女性委員会の奮闘振りをたたえたい。
(文・谷村留都)

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西園寺公望別邸見学                         芝川又右衛門邸

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ザビエル天主堂                           閉会式

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懇親会にて