9月15日、見学研修会で高山に行ってきました。
高山に着いて、少し早目の昼食をとり、周辺を散策後今回の目的である㈱キタニに向かいました。
㈱キタニは北欧家具のライセンス生産をはじめ、高齢者向け家具も作っている家具メーカーです。
山に囲まれた所に工場とショールーム、邯鄲亭、フィン・ユール邸があります。
フィン・ユールは、デンマークの家具デザイナーで、建築家でもありました。
フィン・ユール邸の実物は、デンマークの美術館の敷地内に保存されています。
それを建築当時の姿で忠実に再現したものが、生誕100年にあたる今年1月に高山に完成しました。
フィン・ユールは、家具の彫刻家、と評され、彫刻のような造形の家具を作りました。家を自作の家具に合わせて設計したといわれています。
家は、2棟をつなぐ形でL字型になっていて、西に向かって解放されています。
これは、日照の少ない北欧ならではの配置ということです。
西側から眺めると、レンガに漆喰を塗った白い外壁に、玄関ホールの赤い小壁、青い建具枠、テラスに置かれた黄色のベンチと、
リビングにかかるシェードの黄色の3色が、とても印象的で、しかも嫌味がなく、写真でおなじみの外観になっています。
玄関の天井の青など、部屋によって色を変えているのは、反射光も考慮しているそうです。
リビングの本棚の上部は、天井の勾配に合わせて傾斜させているとか、ドア枠を部屋に向かって少し広げている等々、
いろんなところに細かい配慮が感じられました。
また、窓の内側に仕込まれた引込戸の丸い引手や、ゲストルームの壁に貼られたイグサの畳表など、日本の影響も見られました。
邯鄲亭は、日本の古民家に、北欧家具を展示した美術館になっています。和と洋が違和感なくマッチしていました。
たっぷり3時間余り、とても手の届かない高級家具に囲まれ、実際に座って、お話を聞き、お茶もいただき、
とても充実した時間を過ごすことができました。
(文・磯部喜恵)